島田荘司 御手洗潔シリーズ 『UFO大通り』(傘を折る女) ネタバレ感想

2015年3月8日(土)に御手洗潔のテレビドラマが放送されました。
これが初の映像化であり、選ばれたのは『UFO大通り』に収録の『傘を折る女』
そこで興味がいて事前に図書館で原作小説をかりてきました。

*「傘を折る女」の小説とドラマ感想は、この記事の下の方に書いてあります。


参考URL
御手洗潔 - Wikipedia  :シリーズ概要や作品タイトル(出版年)等
御手洗潔 事件年表 :事件の順番や登場人物の年齢の参考に。
 *御手洗潔(1948年生まれ)、石岡和己(1950年生まれ) 作中で二人も年をとっていきます。

当ブログ感想記事
長編『占星術殺人事件』『異邦の騎士』(ネタバレ感想)
長編『斜め屋敷の犯罪 - 改訂完全版』 (ネタバレ感想)
短編集『御手洗潔の挨拶』『御手洗潔のダンス』、中編『Pの密室』(ネタバレ感想)
短編集『御手洗潔のメロディ』『最後のディナー』、中編『セント・ニコラスの、ダイヤモンドの靴』(ネタバレ感想)
長編『最後の一球』(ネタバレ感想)
長編『暗闇坂の人喰いの木』(ネタバレ感想) 


▼以下、ネタバレ感想
UFO大通り (講談社文庫)

迫力の中編集。異様な姿で死んでいる男が鎌倉の自宅で発見された。白いシーツを体にぐるぐる巻き、ヘルメットとゴム手袋という重装備。この男の近所に住む老女は、戦争をしている宇宙人たちを見たという。これはUFOがからんだ殺人なのか? 表題作「UFO大通り」のほかに、御手洗潔の「遠隔推理」と追いつめられた女の行動の対比が見事な中編「傘を折る女」の計2作を収録。



2作とも、良くも悪くもAmazonのレビューや評価に頷ける内容でした。
駄作ではない、つまらなくはないけれど、あまり心に残らない・・・「一度読んだら、もういいかな」という感想。



『UFO大通り』 (御手洗潔33歳、石岡君31歳) 1981年

御手洗と石岡君の同居生活も1年以上経ち、横浜の馬車道で楽しく暮らしていた頃の物語。

私はこの話に登場する、江戸っ子でヤクザ風の刑事が気になりました。
笑っちゃうような喋り方で、一昔前の話とはいえ、こんな警察官がいるのかという感じで。
老女の見た宇宙戦争の真相は無難なオチだし、異様な死体の謎と犯人には意外性もありましたが…。
ネタとしては、過去の短編集『御手洗潔のメロディ』に収録の「lgE」を思い出しました。

でも「傘を折る女」よりは、読後感のよい「UFO大通り」の方が好みでした。


『傘を折る女』 (御手洗潔45歳、石岡君43歳) 1993年5月頃

*先に原作の感想、下の方にドラマの感想を書いています。

初のドラマ化に選ばれた話なので、少し期待もありましたが、けっこう微妙なストーリーでしたね。
ちなみにドラマを見てから、原作小説を読みました。

物語は、深夜放送のラジオで「雨の中、傘を折る 白いワンピースの女を見た」という謎めいた話を聞くところから。
「何でそんなことをしたんだろう?」という石岡君に対して御手洗は「血のついた服を洗ったからだよ」と解答を出す。
そして警察の捜査協力をする形となり・・・

ドラマと原作の違いは、
ドラマは御手洗(や警察)視点ですすんだのに対して、
原作では、犯人の行動(殺人を犯し、現場から逃げるまで)にかなりのページ数がさかれていたこと。
犯人視点で語られる逃走劇は、怒り・恐怖・焦り・絶望が描かれ、生々しい心理描写がありました。

その他、雪子の経歴や既婚・独身の違い、物語の結末も変えてきていました。
(原作は警察病院で目覚めた雪子が心中を語って終わり。ドラマは雪子が自殺を考え郷里に戻った所へ御手洗がやってきて、それを思いとどまらせるような場面で終わり)

この『傘を折る女』には、犯人の雪子、殺された宣子、偶然に死ぬことになった詩子 という3人の女性が登場します。
しかし全員 頭に血がのぼって衝動的な行動をするヒステリーなタイプ。
揃いも揃って、そんな女性ばかり登場するので、ちょっと疲れます。

特に詩子さんなんて、今回の事件とは無関係で、死ぬ必要のなかった女性です。
それが「傘」を見て、以前に娘に怪我をさせた犯人と勘違いし、いきなり雪子に襲い掛かり、乱闘の末 足を滑らせて転倒・気絶。
意識を取り戻した時に、名札のついた傘を見つけて、その持ち主のマンション(宣子の部屋)へ乗り込んで行く訳ですが…結果、マンションで飼われていたハムスターに噛まれて死亡。(アナフィラキシーショック)
普通の人なら、河原で目を覚ました時点で警察に行くなり、通報するなりしますよね?
まぁ、(普通の行動してたら)この物語が作れないですけどね。

そして宣子は分かりやすい、いやらしい感じの女性ですが、
犯人の雪子も劣等感の目立つ人物で、あまり好感はもてませんでした。
弁護士を目指していたが挫折した過去を持ち、子宝に恵まれず夫と別居中。
新築のマンションに住む宣子を妬む様子など。

詩子の死亡原因も、「UFO大通り」で蜂のアレルギー、「傘を折る女」でハムスターのアレルギー、と続き、少し食傷気味。





2015年3月8日 21:00~23:10 (約2時間)
土曜プレミアム『天才探偵ミタライ~難解事件ファイル「傘を折る女」~』 
・キャスト 御手洗潔(玉木宏)、石岡和己(堂本光一) 他 


全体的に丁寧に作られていたと思います。
時代背景を1993年(原作)→2015年(ドラマ)に置き換えて現代にしているので、古臭さを感じにくいのも良かった。

肝心の御手洗と石岡君のキャストや演技も、そう悪くなかったと思います。
(御手洗の変人ぶりはなく、クールなキャラになっていましたが)

またドラマでは、雪子視点の長い逃走劇が割愛されていたので見やすかったですね。
(そもそも雪子の性格や人柄は、ドラマ版の方が冷静な印象を受けました)

女刑事は不要な気がしますが、ドラマ化すると、こういう人 必要なんでしょうか。(ガリレオとか)

個人的には原作の「傘を折る女」自体、それほど面白い話だとは思わなかったので、ドラマの感想も可もなく不可もなく。

『御手洗潔の挨拶』に収録された「ギリシャの犬」が好きなので、これの実写化の方が嬉しかったです。
製作費は「傘を折る女」よりかかりそうですけどね。

今回の評判次第で、続編のドラマ制作があるかも?(視聴率は8.6%だったそうです)

御手洗潔の挨拶 (講談社文庫)
島田 荘司
4061849433
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タグ:御手洗潔

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