『王子様と灰色の日々』 全4巻 山中ヒコ ネタバレ感想

2013.11.03 21:37|漫画ブログの記事一覧
王子様と灰色の日々 - 講談社コミックプラス(1話の試し読み無料)
王子様と灰色の日々(1) (KCx ARIA) 王子様と灰色の日々(2) (KCx ARIA) 王子様と灰色の日々(3) (KCx ARIA) 王子様と灰色の日々(4)<完> (KCx ARIA)

<内容説明>
酒飲みの父、貧しい家。 不幸を仕方ないとあきらめ過ごす高校生の敦子(あつこ)は、ある日、自分とは正反対の世界に住む大金持ちの男子高校生・至・遼・信也と出会ったことで運命が反転。
敦子が自分に瓜二つなことに気づいた、乃木グループの跡取り息子・至によって、至の身代わりに仕立てられてしまう。
疾走した至の代わりに「王子」となった敦子が、「宮殿」の中で得たもの、そして失ったものとは……?
人気急上昇の作家・山中ヒコが描く、切なくも美しい純愛ストーリー!



■巻  数 ・・・・・・ 全4巻 (連載時期は2011年から2013年)
■漫画の絵 ・・・・・・ 作品に合っていて私は好きです。繊細な絵柄。
■個人推薦 ・・・・・・ おすすめ。
■恋愛模様 ・・・・・・ 恋愛模様はありますが、抑えめではあります。
■対象年齢 ・・・・・・ 高校生以上、もしくは大人向け(掲載誌ARIAは20代女性が読者対象のようです)



たまたまネットで紹介されているのを目にして手に取った漫画です。
思いの他、良作だったので感想を書くことにしました。

ちなみに1巻のカバーは、男装した敦子ですが、カバーを外すと女性の敦子。
同様に2巻はカバーは、女装した至で、カバーを外すと男性の至が現れるという仕様です。

私は完結後にまとめ読みしましたが、4巻という長さがちょうどよく結末もあれで良かったと思います。
コミックスでは最終話の後に数ページの後日談(たぶん描き下ろし)が収録されていますが、それを読んで本当の完結という印象でした。

Amazonで1巻のレビューを見ると酷評が多くて(!)驚きましたが、この漫画は試しに1巻を読んで評価するより、最後まで読んで評価すべき作品ではないかと思いました。

暗い雰囲気の作風ですが、個人的にはドタバタした話や衝撃の展開が続くような話は少し疲れるので、この静かな空気の流れる『王子様と灰色の日々』は久々に楽しめた漫画です。




▼以下 ネタバレ感想

この作品の主な登場人物は、以下の4名です。

大川 敦子(おおかわ あつこ) … 主人公。貧乏な家に生まれた女子高生。バイトで至の身代わりをすることに…。
乃木 至(のぎ いたる) … 大金持ちの御曹司。女装が趣味で自由を求めて失踪した。
関内 遼(せきう ちりょう) … 至の異母兄。愛人の子供のため分家の人間として育てられる。
向井 信也(むかい のぶなり) … 至と遼の幼馴染。至が好き。


設定としては、まんま「王子と乞食」なのですが、それに男女の入れ替わりが加わって、一風変わった少女漫画だと思いました。

そもそも赤の他人である二人が瓜二つって?本当に周囲の人は気づかないの? 
いくら顔が似ていても年頃の女の子が男のフリをするのは無理でしょう?
敦子の実父(ダメ親)は、娘の行方不明届は出さないの?

・・・等々 ツッコミ所は多々ありますが、それを気にしなければ楽しめると思います。
男装する敦子に“喉仏”がないのは誰も気にしないのかな、とは個人的に思いました。

あとは上記4人の恋愛模様が予想とは違う感じでした。
この話の1話を読んだ時、至の側近である信也を敦子が好きになったような描写があったので、遼も絡めて三角関係にでもなるのか…?と思ったのですが、そんなことは全然なかったですね。
(同時に遼も信也も至のことを好きそうだな、とも思いました。それはあながち間違っていませんでしたが)

基本的に敦子と遼、至と信也の2組に分かれて話がすすみ、途中から至と信也のエピソードは減るので、敦子と遼に焦点を合わせて物語を収束させたのは正解でしょう。(一応、乃木家の問題も解決します)


「この世で一番不幸なことは 人を好きになること」と言っていた敦子が最後の方では「遼のことを好きになれた それがとても嬉しかった」と言えるようになった。
この心境の変化の過程が、全篇 通して丁寧に描かれたんだなと思うと感慨深いです。

そして最終話の後日談で、至が、敦子の荷物を代わりに持ってあげる遼を見ながら、
「あいつは昔から 誰かに 優しくしたくて仕方が無い奴だったんだから」
「誰かに 優しくされたくて仕方が無い奴だったんだから」

と執事さんに話す場面があるのですが、端的に言うと、これがこの漫画で伝えたかったことなんでしょうね。

人を好きになるのは、良いこと。
華々しいシンデレラストーリーではありませんが、静かで穏やかな幸福を感じるラストでした。

寂しくて独りだった敦子と遼が、思いやる相手を見つけて幸せになったのが本当に良かったです。




同著者(山中ヒコさん)の次回作『死にたがりと雲雀(ひばり)』も読みました。 
『王子様~』とは、また違った良さがあり、こちらも面白いですよ。

■講談社コミックプラスで1話の試し読みができます。 
http://aria-comic.jp/contents/list101.html

死にたがりと雲雀(1) (KCx) 死にたがりと雲雀(2) (KCx) 死にたがりと雲雀(3) (KCx)


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