『あの路(みち)』 山本けんぞう・文  いせ ひでこ・絵

あの路

この世界で一番大切なことを、きみは教えてくれた…孤独な少年と三本足の犬との出会い、魂の絆の物語。画家と詩人の共作が切り拓く新しい絵本文学の地平。

定価:1575 円(本体:1500 円)  A4変型判  36頁  2009.09
ISBN978-4-582-83451-2 C0771 NDC分類番号 726.6



孤独な少年と犬! この手の話に弱いんです。
ネットで感想を読んだだけで、もう。


・・・そんな訳で、早速 図書館で借りて読みました。


短い文章の背景にあるものを補うように描かれている いせ ひでこ さんの絵が素敵。
淡く・温かく・儚いタッチの水彩画が、この本にとても合っています。

こういう絵本は、本来あまり多くを語るべきではなく、まず読んでみて、それから何かを感じるのが良いと思います。
興味のある人はぜひ手にとってみて下さい。 オススメ。



※以下、ネタバレ注意※



























友だちは、三本足だけだった。

ぼくはママとふたりだった。
ママが死んだ。
それで、おばさんに引きとられた。



物語の内容は普遍的なテーマであるようにも思います。

孤独な少年と孤独な犬。
お互い一人ぼっちで、時間を共有できる誰かを必要としている。

三本足はいつだって三本足さ。
いつも、初めての景色を見るように、走りまわっている。
でも、ぼくは、どこか変わったみたいだった。
なにか落っことしたみたいだった。



ある寒い日、虐待されて死にそうになっている三本足を助けた「ぼく」
それから三本足は元気になったけれど、少年の心には変化があった。

現実の残酷さに触れての心境の変化というのは、多感な時期の子どもにとって大きな影響となり、また成長の過程の一つなのかもしれません。

純粋なだけではいられない。
少し成長した主人公。

変わっていく自分、変わらない君(きみ)。

そして出会いと別れの経験。

最後の日、いつもとかわらずに、遊んだ。
三本足の目が、あんまり透明だから、
ぼくは、空を見上げるしかなかった。

(中略)

車は大通りに出た。
三本足は、自分の路(みち)の終わるところで止まった。
すぐに見えなくなった。



大人になった「ぼく」の心に残るのは、いつでも目をきらきらと輝かせて しっぽをふりふりする三本足の姿。
一緒に過ごした あの冬 が今なお重要な位置をしめ、明日への一歩を踏み出す力になっている。

目をつむれば、あの路(みち)がある。
きみがぼくを見ている。
ぼくは歩き続ける。



これは良い絵本。




▼いせ ひでこさんの絵本
『絵描き』 『ユリユールおじさん』 『大きな木のような人』 いせ ひでこ

絵描き ルリユールおじさん 大きな木のような人 (講談社の創作絵本)




▼ 『アンジュール―ある犬の物語』 ガブリエル バンサン

絵本の原点 感動の一冊


アンジュール―ある犬の物語

こちらも犬のお話。
字のない絵本。
報われるラストで本当に良かった。
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テーマ:絵本
ジャンル:本・雑誌

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