『まんげつのよるに』 「あらしのよるに」シリーズ総括 

【評価】 ★★★
【一言】 小説版より優しい終わり

【注意事項】 
※シリーズ全体のネタバレを含んでいます。 ご注意下さい。
※絵本だけでなく小説版も含めた総括です。
  (ネタバレなしの記事は、以下から)
「あらしのよるに」シリーズ 木村 裕一 (著)

4062528789まんげつのよるに
木村 裕一 あべ 弘士
講談社 2005-11-02

by G-Tools

【感想】
「あらしのよるに」シリーズ 7巻『まんげつのよるに』を読みました。
といっても以前、小説版を立ち読みしたので内容は既知の状態で、です。


もしかすると人によっては、この内容が甘い、ぬるいと感じるかもしれません。


個人的には、
6巻の終わり方で悲しい人は、7巻を読むべき。
あの結末で満足している人は、読まない方がいい。と思います。


私自身は…前者かな。
(まぁ特別編『しろいやみのはてで』で終わりにした方が良かった気もしますが。)

というのも、これが子供向けの絵本だからです。
おそらく全国の読者から「あれからガブはどうなったの? メイは?」といったお便りが著者の元に寄せられたのではないでしょうか。
だからこそ作られた最終巻なのだと思います。

小説 あらしのよるに小説 あらしのよるに
きむら ゆういち

by G-Tools

しかし驚いたのが小説版との結末の違いです。
絵本の方が優しかった。

 二匹は一緒に丘の上に上った。 (中略)
 昇ってきた満月に、二匹の影が重なった。
 月の中にうつったその影は、もう、ヤギでもオオカミでもなく、ただの二つの生き物の姿だった。
 月は静かに、空高く、昇っていった。 (『まんげつのよるに』 p60, 62, 64より引用)


余韻を残しつつ静かにしんみり幕を閉じた印象。

小説では、この後がありました。
様々な出来事で命を使い切った「二匹の死」が明確になっています。
(「いつまでも二匹は仲良く暮らしましたとさ」な昔話風ではない)

これは小説版が一般人向けだからでしょうね。
文章のみで一冊の本になっているので、二匹の心理描写や状況説明も細やか。
反面「ちょっと説明しすぎ」な感もあります。

これでも甘いと感じる人は、この本自体が合わないのかもしれません。
つまり、ガブの記憶は戻らずにメイを食べてしまうとか、そういった結末を望むような場合です。

もともと弱肉強食を超えた友情なんて、ありえません。

これは、その「ありえないこと」を前提に成り立っているお話です。
食物連鎖や生態系のピラミッドがどうこう…というより、あくまで本来 相容れぬ仲の者同士が育む友情(愛情)の物語。

それが「あらしのよるに」シリーズ。

 
 おいらがオオカミであんたがヤギ。

 ぜんぜん違うから面白かった。

 一緒にいる全ての時間が楽しかった。


しろいやみのはてで―あらしのよるに特別編しろいやみのはてで―あらしのよるに特別編
 p25よりガブの台詞


※私は、この特別編が一番グッときました。 泣ける。

あらしのよるに全7巻セット (あらしのよるにシリーズ)
関連記事
スポンサーサイト
この記事がよいと思ったら、拍手ボタンをクリックして頂けると嬉しいです。  * web clap *

テーマ:ブックレビュー
ジャンル:本・雑誌

Welcome!



はじめに
管理人にメール 

にほんブログ村 漫画ブログ 漫画感想へにほんブログ村 その他生活ブログへ

現在の閲覧者数:
2006年からの訪問者数:

Amazon.co.jp

記事検索(ブログ内)

 

Lc.ツリーカテゴリー

【全タイトルを表示】

「+」「-」のクリックでツリーが開閉します。

おすすめ漫画[連載中]

○『シュトヘル』『甘々と稲妻』紹介記事

『シュトヘル』伊藤悠/小学館
シュトヘル1 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL) シュトヘル(2) (ビッグコミックススペシャル) シュトヘル(3) (ビッグコミックススペシャル) シュトヘル 4 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL) シュトヘル(5) (ビッグコミックススペシャル) シュトヘル 6 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL) シュトヘル 7 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL) シュトヘル 8 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL) シュトヘル 9 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL) シュトヘル 10 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL) シュトヘル 11 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL) シュトヘル 12 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

『甘々と稲妻』雨隠ギド/講談社 甘々と稲妻(1) (アフタヌーンコミックス) 甘々と稲妻(2) (アフタヌーンコミックス) 甘々と稲妻(3) (アフタヌーンコミックス) 甘々と稲妻(4) (アフタヌーンコミックス) 甘々と稲妻(5) (アフタヌーンコミックス) 甘々と稲妻(6) (アフタヌーンコミックス)

となりの怪物くん[完結]

となりの怪物くん(13) <完> (デザートコミックス)
○『となりの怪物くん』紹介記事
○ヤマケンについて語る。
○7巻[特装版] 感想
○8巻 感想
○9巻 感想
○10巻 感想
○11巻 感想
○12巻 感想
○13巻 感想
○FAN BOOK 感想

楽天

月別アーカイブ

09  08  06  05  03  02  01  10  08  04  03  02  01  12  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  09  08  06  05  04  03  01  12  11  10  09  08  07  06  05  03  01  12  11  10  09  08  05  03  11  10  09  07  06  03  12  08  07  06  05  04  01  12  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  09  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  04  03  02  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01