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『かもめ食堂』 群 ようこ (ネタバレ感想)

【評価】 ★★★★
【一言】 映画の雰囲気そのままに

自然に囲まれている人が、みんな幸せになるとは限らないんじゃないかな。どこに住んでいても、どこにいてもその人次第なんですよ。その人がどうするかが問題なんです。 (中略) きっとそうなんだと思います。

(『かもめ食堂』, 群ようこ, 2006年, 幻冬舎 p152-153)



※以下、ネタバレを含んだ感想になります。未読の方はご注意ください。
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【感想】
今年5月に観た映画『かもめ食堂』の原作を読みました。
図書館の予約は4ヶ月前にしており、やっと順番がまわってきたのです。

感想ですが、ほのぼのした雰囲気で楽しめました。 
ページ数が少なめ(204ページ)なこと、話の内容を既に知っていることが手伝ってスラスラと読了。

最初「映画が素敵な作品なだけに、原作はどうかな」という気持ちがありましたが、特に問題なし。
というのも、群ようこさんのエッセイは好きで昔よく読んでいましたが、小説は好みじゃなかったので。

エッセイは、あくまでノンフィクションだからいい。
しかし彼女の小説は、エッセイ風なフィクションなのが苦手だった。
(苦手なので、エッセイは何冊も読んだけど小説は1冊しか読んでいない・笑)

でも『かもめ食堂』は、普通の小説として成り立っているように思います。




■小説での見所■
一番は、“主人公がフィンランドに来るまでの背景”が丁寧に書かれている所。

映画では限られた時間の中で無駄な描写を省きテンポよく話を進める都合上、あまり過去回想ばかり描いていられないし、その必要もないと思います。
ですが、少し気になる部分ではありました。

まず3人の年齢。
サチエ  38歳 
ミドリ  40代前半?
マサコ  50歳

フィンランド人には、サチエが15歳の子供に見えていたという事実に驚き。
東洋人は若く見えると聞きますが、そんなにサバ読めるんだ…と(笑)

また食堂の客がゼロにも関わらず宣伝もせず、焦らずマイペースに仕事をするサチエ。
偶然 出会ったミドリを無料で自宅に住まわせてあげるサチエ。(しかも食事つき)
この姿を見て“大物だなぁ”という以前に「外国に出店するくらいだから、金銭的な蓄えはあるんだろうけど・・・懐が広すぎるのでは?」と思っていました。

小説で謎が解けました。

サチエはくじ運がよかった。

(『かもめ食堂』, 群ようこ, 2006年, 幻冬舎 p18)


そう。
彼女はフィンランドに来る前に、宝くじで1億円当てていたのです。

もちろん、それ以前に彼女は努力家なので嫌味な感じはしません。
母親の死後、ずっと家事をやり、様々な料理教室に通い、大学卒業後も就職した会社で働きながら夜学で勉強。自分の力で預金を増やした経緯が小説で明らかになっています。(←あ、これは小説を読んでよかった部分)

あと繰り返し出てくるサチエの父親(武道家)の言葉。
「人生すべて修行」
なぜか印象に残る一言。


全体的にほんわかした話ですが、皆それぞれの思いを抱えながら、今を前向きに生きようとする姿が描かれており、読後感の良い作品だと思います。

大傑作か?
と問われたら「No.」だと思いますが、無難な佳作には違いありません。
とりあえず人に勧められるレベルの作品です。
繰り返し何度も読みたいかというと、そうではありませんが。 (←私の場合)

興味のある方は、ぜひ読んでみて下さい。


【備考】
読書日:2006/8/12
読書時間:3.5時間くらい

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映画「かもめ食堂」感想



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