『シタフォードの秘密』 アガサ・クリスティー(著)

【評価】 ★★★
【一言】 主人公はエミリー…?

4151300767シタフォードの秘密
アガサ・クリスティー 田村 隆一
早川書房 2004-03-16

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やっと読了。
私は短期決戦型なので、ちまちま本を読み進めるのは苦手なんです。
しかし最近、本を読んでいると眠くなって、なかなか進まなかったという…

【粗筋】
雪に覆われた村、シタフォード。
ある日、その村の山荘で降霊会が開かれた。
それは退屈しのぎにすぎない遊びのはずだった。
ところが霊魂が現れ、山荘の持主・トリヴェリアン大佐の死を予言する。
そして本当に降霊会の最中に大佐が撲殺されるという事件が起こるのだった…。



【感想】
全然オカルトっぽい話ではありません。
最初に粗筋を見た時は、「イギリスの降霊会ネタか」と思ったものの、杞憂に終わりました。

ストーリーの面白さは、まずまず。
特筆するほどではありませんが、普通に楽しめるレベルに仕上がっています。
犯人は、探偵役の人が説明してくれるまで分かりませんでしたが、説明されれば、「ああ、そういえば序盤にそういう場面あったよねー。納得。」といった感じ。

ただ、あまり起伏のあるストーリー展開ではないですね。
淡々と物語が進行するというか。

またこの作品は確立した主人公がいないという珍しい話でもありました。
物語中盤から登場するエミリーに唯一 主人公らしさを感じましたが、彼女が主人公・・・?
謎。


【ヒロインの感想】
話題は、エミリー・トレファシス嬢に移ります。
私がこの本を読んだのは、彼女がタペンス似だという記事をchisaさんの所で拝見したから。
(※タペンスは、クリスティーの『秘密機関』他に登場する女性)

で、実際に読んでみてエミリーとタペンスが似ているか?という点ですが。
私は、似ているけれど微妙に違うと思いました。
クリスティーは、ちゃんと人物を書き分けている。

※以下、ややネタバレを含むのでご注意下さい!

二人の共通点は、
美人・頭脳明晰・自信家・行動力がある という所。

しかしエミリーの自信家ぶりは、タペンスを上回っています。
作中、彼女の心理描写が多いので、裏で考えていることも分かりますが、けっこうスゴイ。
そして自分の目的達成(婚約者救済)の為なら、使えるものは使うという徹底ぶり。
この場合「使えるもの」=「彼女の魅力」となります。

今回は、その武器を使って一人の新聞記者をくどきました。
『あたし、あなただけが頼りなんですの』という殺し文句で、事件調査の協力者を楽々GET!
でも本命は婚約者だけという。 
恐るべし、女の打算。

それにしてもジェイムズ(エミリーの婚約者。愛称ジム)は、あれでいいの?
警官が来るなり挙動不審な態度…。
無実なら堂々としていればいいのに。

彼女曰く、少年のようにか弱く頼りなくて、ヘマだけはマズイ時に間違いなくやる人だそうです。
美男子らしいので、それが長所と言えば長所ですが、あの頼りなさは度を越している。
(エミリーは、頼りない彼が大好き

きっとこの事件のおかげで、ますますジムは頼りなくなる予感。
結婚後の二人がある意味 心配。
エミリーが病に倒れたら終わりじゃん!
ま、ストーリーの本筋とは関係ない話ですが。


エミリーのようなヒロインは、女性作家が描くヒロインという感じですね。
一方、男性作家が書いたヒロインで思い浮かぶのが、『川の深さは』の葵ちゃん。
今時いないだろーと思うような健気で純粋な美少女。
『天空の城ラピュタ』のシータを成長させたような人物と言えば分かりやすいかも。
(※私は葵ちゃんもシータも嫌いではありません)


・・・・・・・・・。
ということで、オチはないけど記事は終わります。


【拝見した感想】
chisaの水色blog」さん・・・情報、ありがとうございます!




【備考】
読書期間:2006/5/21~25
読書時間:4~4.5時間程度
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テーマ:読書メモ
ジャンル:本・雑誌

タグ:アガサ・クリスティー

コメント

確かに・・・

確かにエミリーはタペンスとは微妙に違うタイプで書き分けもされていますよね~(どちらかというと「エヴァンズ~」のフランキーの方がタペンス似かも・・・)
そして、主人公は不在ですよね(^^;
私も強いて言えばエミリーだと思いました!
自信満々で女の武器(?)もちゃっかり利用しているエミリーは結構私のツボでした。シタフォードは無難に面白い作品でしたね。
女流作家ならではのスリラーものでしたら、一度昔に読まれているとの事ですが「茶色い服の男」を私はオススメします(*^^*)女性は強い!と実感します(笑)

そうなんですよ~。

chisaさん、こんばんは。 

>自信満々
私もエミリーは好きなんですけど、あの自信満々な所が、少し危うく見えて、密かに心配していました。
何事もなくハッピーエンドに終わってよかったです(笑)

オススメして頂いた『茶色い服の男』は、現在 図書館で予約しております。
昔読んだかどうかも怪しいくらい、ストーリーを全く覚えていないので、手元にくるのが楽しみです♪
コメントありがとうございました。
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