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■ 作品紹介中途採用で上野原動物園に入社したペンギンのギンペーが、その同僚や家族と繰り広げるハートフルストーリー。
■ 「バケツでごはん」の世界観お客様を楽しませるため、仕事中は普通の動物のフリをしているギンペーたち。
しかし動物園が閉園すると、園内にある秘密の地下鉄で秘密の町へ帰っていく。
そこが動物たちの暮らす場所なのです。
この事実を知る人間は、動物園関係者のごく僅かしかいません。
・・・という訳で、動物たちは
擬人化されており、仕事中以外は二足歩行で人間の言葉を喋ります。
人間も存在する世界です。
ちなみに「動物たちの秘密の町って、どこにあるの?」というツッコミはいけません。
天気のいい日に洗濯物を干すという場面があることから、地下世界ではなさそう。
作中では明かされていないし「上記の説明で納得してね♪」という作者からのメッセージだと受け止めましょう。
■ 感想今回の紹介記事を書く為に、久しぶりに読み返しましたが、やはり良い話ですね。
単行本全8巻(文庫版は全5巻)で、上手く纏めたな~と感心します。
連続性のあるストーリーなので、ぜひ最初から最後まで読んで欲しい名作!
ちなみにギンペーちゃんの恋話は、ちょうど大阪出張を終えた5巻辺りから面白くなってきます。
予想外の展開に驚きを隠せません。
また同僚のサンペーやチェザーレの恋話も平行して描かれる所に好感をもてました。
この作品の長所は、コメディやシリアスなどを上手く織り交ぜたストーリー展開をしていること。
実は深刻な社会問題や人間ドラマも描かれており、
★ 幼児虐待され、心に傷を持った子供
★ ヘッドハンティングされて転職したエリートが、家族を残して蒸発しホームレスに。
なんてエピソードも出てきますが、この時に動物を擬人化した設定が生きてきます!
そう。
人間でやったら暗く重くなりがちな話も、動物キャラでやれば、自然とフィルターがかかって読むことが可能なのです。仕事に、恋に、家族の大切さ、助け合い精神を含んだ温かい物語と個性豊かな登場人物に支えられた一作。
■ 主要人物《動物園関係者》
ギンペー(♂) … 主人公。関西弁なまりの皇帝ペンギン。普段は目つきが悪いけど、仕事中は営業用スマイルの笑顔が素敵。芸人魂を持ち、職場では日々顧客満足向上を考えている。浪花節で親父くさい一面を持つが、誠実で努力家。不器用だけど、心優しいペンギン。
サンペー(♂) … ペンギン。ギンペーの後輩で、ギンペーを慕っている。かなり鈍い性格だが、純粋で思いやりのある優しい性格。下心などは無縁に見える存在。料理上手。
チェザーレ(♂) … ペンギン。キザでインテリの二枚目。ギンペーのライバル。
ミント(♀) … ペンギン。ペンギン舎のアイドル。可愛くて優しい。料理が恐ろしく下手。
フラジー(♀) … キリン。白馬の王子様を夢見るファンシーな女の子。黒豹の黒田さんに片想い中。弱肉強食関係であることは関係なし。
ミミ(♂) … ギンペーが中途採用したミンク。可愛い容姿だが、実はオス(おかま)。一見バカのように見えて、仕事のプロ。アフターファイブは美を保つための努力を欠かさない。黒田さん好きなのでフラジーのライバル。
リーチ(♂) … パンダの子供。両親のロンとポンと共に上野原動物園にやってきた。
リヒャルト(♂) … ライオン。お金持ちで、ピシっとした性格。
寅二(♂) … トラ。妻子持ちの気のいいおじさん。
黒田(♂) … 黒豹。不思議な人。やや寡黙でクールに見える。
加藤さん(♂) … 動物園職員で。いい人。動物たちの秘密を知る数少ない人物の一人。既婚者。
《動物園以外》
ズブロフスキー(♂) … 狼。元・上野原動物園勤務。現在は、廃品回収とリサイクル業務を生業としている。
タボン(♂) … ズブロフスキーの拾った子豚。←食べるためではありませんよ!
ミケミ(♀) … ミケ猫。ギンペーの家の隣の奥さん。口うるさい専業主婦。
藤吉と加代 … ギンペーの元気なご両親。昔は芸人の一座にいた。
すいません、多すぎました。
でも登場人物は、まだまだいます。
とりあえずストーリー序盤ではこんな感じですが、この人物関係も物語が進行するうちに変わっていきます。
それがまたいい。
■ 余談好きなキャラは、主人公のギンペーちゃん。
あとはリーチくん! 良い子すぎて感動するくらい。
そしてサンペーちゃんは「サンちゃん、ええ子やなー」(ギンペー母)な気持ち。
バケツでごはん 文庫版 コミック 1-5巻セット (小学館文庫)